2005年01月22日

NYでの忘れ物

kenjiの姫の「旅の小話シリーズ」第2弾。

LAでいきなりダウンのコートを忘れるという失態をやらかしてスタートした私の海外一人旅は、 いよいよNYへ向けてのメインパートに突入する。
それまでもツアー嫌いの私はほとんどが個人旅行だったので、航空券を忘れていないか、空港へ到着するのは何時が良いか、 フライトの時刻は何時か、向こうへついたらどうやって移動するかetc.、考える事がいっぱいあるという状況には慣れていた。むしろ、 ぜんぶ添乗員の後についていけば目的地へという旅に比べて、10倍楽しいぞと思っていた。
しかし、一人となれば頼るのは自分しかない。しっかりしなければ〜と実は極度の緊張状態。JFKに到着したのが、午後まだ明るい時間。 2月とはいえまだまだ日の落ちる時間ではない。今の私なら一人じゃ割高になるタクシーなどには乗らないけれど、 とにかくあまり迷わずホテルへ行きたいという気持ちが強くて、NY名物イエローキャブに乗り込んだ。 たしか色の黒い運転手のおっちゃんに行き先を告げたがなんだかドキドキして落ち着いて座っていられなかったのを記憶している。 いよいよ一人でやってきた〜。憧れのニューヨーク!タクシーの窓からマンハッタンの摩天楼が見えたときには、思わず大きく深呼吸をした。 タクシーの中の外国臭い空気が肺の中にしみこんだ。

宿泊するホテルに到着。チェックインも無事済んで部屋に入った。そろそろ日も落ちる時間になってきている。 自分でも気がつかない緊張状態からとりあえず解放されて、ベッドに倒れこんでしまった。お腹は空いているものの、一歩外へ出る勇気がない。 外はだんだん暗くなる。ルームサービスの電話をかける気合もない。ホテルから出る以前の問題だ。あ〜、ついに一人でここまでやってきた。 いつも地図やガイドブックで眺めていた街が窓の外にあるのだ。それなのに、部屋の外へでる勇気がでない。・・・・結局、 その日は何にも食べずに部屋で眠ってしまった。(この頃は、まだ私も可愛いやつだった)

極度の緊張で始まったNY一人旅も、翌朝からは少しずつ街の中を探検して、ミュージカルを見て、コンサートに出かけ、美術館を訪れて、 ショッピングも楽しんで、おいしいものも食べて・・・・と、後半にはすっかりニューヨーカー気分になっていた。
楽しい旅はあっという間に過ぎていき、帰国の朝。いつもより早く目が覚めて、 前の晩から整理してあった荷物を再確認して部屋をもう一度見回した。
よし!片付いた。荷物は全部OK!
ホテルの前でタクシーを呼んでもらい、楽しかった初めてのNY一人旅もいよいよ最終章。あとは、 空港で無事チェックインして飛行機に乗り込むだけだ。
最後にタクシーの中からマンハッタンのビルを眺めて別れを惜しんでいる時に、ハッと気がついた。
やばい!!(またかよ!)

私の頭の中には、 ホテルのベッドの真ん中にぽつんと置かれたキィホルダーがくっきりと浮かんできた。
スーツケースの鍵がついたキィホルダーをベッドの上に忘れてきてしまった。
スーツケースの鍵は合鍵がバッグの中に入っているので、問題はない。
困ったのは、そのキィホルダーについている他の鍵の存在だ。
帰国して帰る家の鍵が・・・・。当時は一人暮らしだったので、鍵がなければ家に入れない。
が〜ん!!どうしよう。とっさに時計を見る。ホテルに戻って空港に・・・、その時間はない。じゃ、どうする?
家の合鍵を持っている人は他にいない。頭の中はフル回転。

もう頭の中がパニック状態になったまま空港へ到着。もうチェックインの事など不安でもなんでもない。それどころではないのだ。
さっさと搭乗手続きを済ませて、ホテルに電話をして事情をどうにかこうにか説明する。が、今思うとそんなことしてもどうしようもないのにね。 飛び立つ前に私の鍵が手元に戻ってくるわけでもないし。その時は頭が回らなかった。

あたふたしている内に搭乗の時間。飛行機に乗り込んでも、どうしようどうしよう、そればっかり考える。
大家さんは関東に住んでいる人なのでどうしようもない。管理をしている不動産屋の電話番号は控えていない。 だいたいその会社の名前もパニクって思い出せない始末。
必死に考えてようやく思い出した不動産屋の名前と担当者の名前を忘れないようにメモをした。
はて、次は・・・、そうだ!同じ札幌に住んでいる実家に連絡をとって合鍵を借りてもらうように頼もう。さて、どうやって連絡を? 私は今飛行機の中。なるべく早く連絡は取りたいけれど、時差もある。時計を見ると日本は真夜中。 こんな時間にNYに行ってるはずの娘から電話が来たら心臓止まるかもしれないと、日本が朝になる時間をじっと待つ。
乗っていた飛行機には座席に電話がついている。(あ〜良かった) クレジットカードを溝にす〜っと通して電話番号をピッポッパッとやれば通じるはず。こんな空高くて離れているところからでも大丈夫なのか? と不安だったが、それしか連絡の手段はない。
日本の朝の時間で実家の親が驚かない時間は、飛行機の中はお休みタイム。みんな静かにお休み中。
ごめんなさ〜い。ちょっと電話かけます。ツーツーツー。おっ、通じた!!
小声で「もしもし。私。今帰りの飛行機の中からなんだけど・・・」
母「??・・・?」
私「じ、実は家の鍵をホテルに忘れてきて・・・。管理会社に電話して合鍵を借りて鍵作っておいて欲しいんだけど・・・・」
母「??・・・・?何?ちょっと待って。メモするから」-----たぶん何が何やら訳わかんないはず。 とにかく家の合鍵を作ってくれという事は伝わったようだ。
私「じゃお願いするね。日本についたらまた電話するから」

ふぅ。あとはなんとかなるだろう。とりあえず母親には連絡をしたので家に入れなければ泊めてもらおう。
と、ちょっと安心して、爆睡。
-----------------------------
成田に到着。早速実家に電話をした。
私「あっ、お母さん。電話してくれた?鍵はどうだった?」
母「それがね〜。大変だったんだよ。合鍵は持ってないんだってさ。」
私「・・・・・」
母「しょうがないから鍵屋さん頼んで錠前ごと取り替えてもらったよ。5000円(だったはず)かかった」
私「あら〜、ごめんね〜。いや助かった〜!!」

一時はどうなることかと思ったけれど、なんとかその日のうちに家の中に無事入ることができた。
教訓・・・・長期間どこかへ出かける時は、合鍵を誰かに預けておくこと。

ホテルに忘れてきた鍵の件は、その後FAXで、できれば送り返して欲しいって送信したんだけど、その後しばらくたって気がついた事。 買ったばっかりのFAXで送信面を上にして送らなければいけないのに、下にして送ってしまっていた・・・・。 それじゃあいつまでたっても鍵は戻ってくるわけないね。

ベッドの上にぽつんと忘れられたキィホルダーは、「またこの街に来るよ!」っていう気持ちの表れだったのかもしれない。

posted by kenji&kenjiの姫 at 13:51| ☁| Comment(3) | TrackBack(1) | 旅の小話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いや〜〜面白かったです。
単行本を一気に読み終えた感じでした。
短編小説家になれば???

でもすごいね!初めてのNYを一人で旅してしまうんだから。
私ハワイくらいならいけるけどNYは怖い気がします。
せっかくパーフェクトに終わると思いきややっぱりやらかした・・・姫さんらしくて素敵(爆)

そのうちおーくしょんで小遣い貯めたらお供させてくれますか?
英語力は買い物onlyですが・・・
Posted by mo-chanママ@熱心な読者 at 2005年01月23日 17:35
熱心にお読みいただきありがとうございます。
NYって行ってみるまで恐いところかな〜と思ったんだけど、一番歩きやすい場所でした。
小遣い貯めていきましょう〜。

次を楽しみにしててください。場所は、NYから南に移ります。
Posted by kenjiの姫 at 2005年01月23日 18:22
え? NYから南に?
どこでしょうか?
気になるなぁ・・・
Posted by たあ坊 at 2005年02月24日 20:51
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Excerpt: 初めての海外一人旅は、2月中旬の事。行き先は、LA&NYだった。 40歳になったらニューヨーク一人旅をしようと若いときから考えていてようやく実行できた旅だったので、事前の準備は周到に慎重に・・・。 ま..
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